工藤 陽子さん
青森県五所川原市出身
高山稲荷神社(つがる市牛潟町) 参籠所(さんろうじょ)主任
うたごえタミー 団員
(2023年3月現在)
今回のインタビューは工藤陽子さん。市内牛潟町にある高山稲荷神社の宿坊と休憩所の管理をされています。また、女声合唱団タミーの会の一員として、音楽活動にも励んでいます。
筆者が工藤さんのしたたかであたたかいお人柄に惹かれ、インタビューをお願いしました。
高山稲荷神社でのお仕事
Q.普段はどういったお仕事をされているんですか?
今の時代、神主の資格を取って旦那さんの補佐的な感じでお仕事なさってる方もすごく多くいらっしゃるんですけど、私の場合は神主の資格をとらずに、影の方で補佐的な感じで働いています。
ここは昔から山の中にあって人里離れているお宮で、今みたいに交通の便があまりよくなかったので、いらっしゃるお客様は宿泊なさって参拝するっていう形でした。そこが町の中にある神社との一番の違いだと思います。
今は車社会なので、車でお参りしてすぐ帰りますけども、でもやっぱり神社でゆっくり参拝して、一晩泊って、っていう方々、今でもいらっしゃいますね。
ここは宿坊があるということで、泊っている方々に食事を出したりとか、そういうことのお仕事が主になります。
そして一番私が気を付けてるというか、一番私が思ってることというのは、日帰りのお客さんが多く来ていらっしゃいますので、トイレとか、水回りを皆さん気持ちよく使っていただけるように、その点を注意するようにしています。なるべく清掃というか…掃除ですね、そちらの方もまめに手がけるようにして、皆さんいらっしゃったときには気持ちよく参拝できるように、そういうことを主に心に留めています。特に、トイレの神様でないですけど、トイレにはトイレットペーパーとか手洗いの石鹸とか消毒とか、皆さん不自由しないように心がけております。
(筆者)「すごくきれいなトイレですよね。」
いやいや、でもほら、使う人数がいらっしゃるので、朝夕やっても中々手が回りませんけども…。
休憩所で生の音を
あと、ここ(インタビューをしている休憩所)はですね、お茶飲むところとか休むところがないと皆さん困るので、やっています。あとはお蕎麦とか簡単なものですけども。土日とか夏休み、お正月の期間とかやってますね。
(休憩所は)宮司がもう少し手を広げたいみたいなんですけど、今鳥居の方の工事が主立って手が回らず、そうこうしているうちにコロナが始まって。設計図はできてあるんだけど…。本当はちょっとした舞台みたいのをつくって、音楽を楽しめるような感じにして、バンドとかコーラスとか、いろんな生の演奏を楽しんでお茶を飲めるような、あと写真とか絵とか飾ったり、そういう風に芸術を楽しめる場所にしたいですね。
音楽やっている人は会場を借りるのもマイク一本でもみんなお金がかかるけれど、そういうことみんな抜きにして、本当に音楽好きな方々のために、どなたでも参加していただいて、そして、来ていただいた方がお客様で、そういう風なところがあればと。聴いていただく場所がないみたいな方が結構いらっしゃんるんですよね。
設計もしてあるんですが、今お話したように、コロナでそういうのが一番最初にダメっていう感じになっちゃったので…少しは緩和されてきたんだけど。今度は木材が入ってこなかったりとかいろんなことが重なって、現状としてはどうなるかしらっていう状態です。
以前「鎮守の森コンサート」っていうのを10年ほど続けてやってたんです。とにかく神社と音楽っていうものを結び付けていたい。神様と音楽はつながってるというか、切り離せないものなんじゃないかなって。細々と、でも何かしらの形で繋げていければなと思っています。それが一番の私の希望です。
今音楽はテープで流しているけど、人が集まるからには生の歌と音楽を、というのをぜひ実現したい。
※女声合唱団タミーの会(現うたごえタミー) 練習風景。写真の日は半崎美子さん「『うた弁3』発売記念5周年集大成ツアー〜地球の歩み方〜5周まわって立ち止まる〜」共演の最終確認。
工藤さんは合唱を「『瞬間的になくなってしまうけど、忘れちゃいけないんだ』と記憶に残しておくもの。」と語る。
後編につづきます!
関連リンク
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